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2024.02.15

  • # 文化・景観
  • # 近江の祭り

近江の『生きた祭り』 長浜曳山祭 長浜曳山祭の曳山紹介②

近江の『生きた祭り』 はじめに

近江の『生きた祭り』 長浜曳山祭 歴史・概要・見所

近江の『生きた祭り』 長浜曳山祭 長浜曳山祭の曳山紹介①

鳳凰山

魚屋町組

豪華な曳山の鳳凰山

1829(文政12)年建造。絢爛豪華な装飾品を纏う曳山の山車は動く美術館と云われます。鳳凰山の装飾で一番の見所は、山車の背後を飾る一際大きくて美しい見送り幕です。16世紀後半のベルギー製のタペストリーで金糸銀糸を用いて「妃アンドロマケと侍女」が描かれており、「国指定重要文化財」になっています。祇園祭りの鶏鉾や霰天神山の見送り幕等と共に、本来は1枚の作品だったそうです。旧山が1818(文化15)年に山蔵と共に焼失し1829(文政12)年に再建された豪華な曳山です。亭の上に鳳凰の木彫を飾り、鳥や花を描く舞台の天井絵や舞台高欄親柱の鶏の雄雌を表す錺金具など様々な装飾品が曳山を飾ります。

華やかな舞台の格天井

重文の見送り幕

・奉納子ども狂言(歌舞伎):『恋飛脚大和往来 梅川 忠兵衛 新口村の場』

鳳凰山の子ども歌舞伎

高砂山

宮町組

最古でシンプルな高砂山

本体は1745(延享2)年に修理記録あり、それ以前に建造。亭は1816(文化13)年に建造。資料上、12基の芸山の中で最も古い曳山です。舞台屋根に尖った三角の切妻造りで、構造自体は比較的シンプル。見た目2階建てですが、亭の天辺の高さは随一です。二層部分が、大手通りの北風商店前のアーケード部分を何度も傷め、曳山の屋根もその都度修理されていると云われています。錺金具の意匠にも花鳥や猿、龍や鯉など職人の技術を凝らしています。特に大輪部分の「兎、波を奔る」は謡曲『竹生島』から採られたと伝えられます。(アイキャッチ画像も高砂山)

囃子の少女達

・奉納子ども狂言(歌舞伎):『玩辞楼十二曲の内 義士外伝 土屋主税』

高砂山の子ども歌舞伎

翁山

伊部町組

凝ったあしらいの翁山

1765(明和2)年建造。翁山を代表する二装の図柄がある見送り幕は、一装は「国指定重要文化財」です。16世紀ベルギーで制作されたタペストリーで二人の戦士を中心に馬上の騎士達が織り出されています。このタペストリーの余った部分をつなぎあわせて作られたのが二装目の見送り幕で、女性ばかりの絵柄をパッチワークして曼荼羅模様を作っています。この2枚は、14日の登り山での「見送り幕の付替え」で観られ、必見です。面幕は、猿が水面に映った月を掴もうと、木に掴まりながら長い手を懸命に伸ばしている「猿猴捉月図」で、「鯉の滝登り」もあります。

重文の見送り幕

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