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2021.05.27

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近江を愛した松尾芭蕉の句碑を尋ねる旅 近江を愛する芭蕉の足跡⑥

近江を愛した松尾芭蕉の句碑を尋ねる旅 はじめに

近江を愛した松尾芭蕉の句碑を尋ねる旅 近江を愛する芭蕉の足跡①

近江を愛した松尾芭蕉の句碑を尋ねる旅 近江を愛する芭蕉の足跡②

近江を愛した松尾芭蕉の句碑を尋ねる旅 近江を愛する芭蕉の足跡③

近江を愛した松尾芭蕉の句碑を尋ねる旅 近江を愛する芭蕉の足跡④

近江を愛した松尾芭蕉の句碑を尋ねる旅 近江を愛する芭蕉の足跡⑤

 

⑥1694(元禄7)年:5月17日~21日迄、乙州宅・曲翠邸に泊り、京の落柿舎に向います。6月15日~7月5日まで義仲寺無名庵に滞在します。また伊賀上野に帰り、9月8日伊賀から大坂に向かいます。

【新春に書いた近江の蕉門曲翠宛の書簡に】

蓬萊に 聞ばや伊勢の 初便

 

・句意:蓬莱飾りを前に、気分も新たな元旦、伊勢からの清浄で神聖な初便りを聞きたいものだ。

・句碑:長浜市港町2 -5 慶雲館前庭(大きく立派な碑)

「蓬莱に…」句碑

慶雲館

 

【江戸にて、茶畑を見慣れた芭蕉の心像風景の句です】

木がくれて 茶摘も聞や ほとゝぎす

 

・句意:茶の木の間に隠れて見えない、茶摘み女達も、ほととぎすの鳴き声を聞いているだろう。

・句碑:甲賀市上朝宮 仙禅寺内

他に、甲賀市信楽町の大谷宅庭、美谷橋横にあります。

「木がくれて…」句碑

岩谷山仙禅寺

・朝宮茶発祥の地之碑:1200年の昔、岩谷山に茶の実を植えられたのを起源とします。日本五大銘茶の朝宮は、京都と滋賀の県境に位置し標高400m程の高地で昼夜の気温差が激しく霧が多い気候風土であることから日本最古で最上の茶産地として有名です。

朝宮の茶畑

 

【膳所能役者で蕉門游刀(ゆうとう)亭にての納涼二句です】

さざ波や 風の薫の 相拍子

 

・句意:琵琶湖の岸に寄せるさざ波が、吹き渡る薫風と能楽の相拍子のように、心地がいい。

・句碑:大津市島ノ関地先 大津市民会館前の湖岸なぎさ公園内

「さざ波や…」句碑

湖岸なぎさ公園

 

湖や あつさをおしむ 雲のみね

 

・句意:夕方の琵琶湖から涼風が渡ってくるが、湖上では昼の暑さを惜しむように、入道雲が聳え立っている。

・句碑:大津市本丸町7 膳所城跡公園内

「湖や…」句碑

膳所城跡公園

 

【曲翠亭にて】

飯あふぐ かゝが馳走や 夕涼

 

・句意:熱い炊き立てのご飯を冷ます、妻の心遣いが何よりのご馳走と、夫は夕涼みをして待っている。

 

【大津の能大夫で俳人の本間主馬(しゅめ)亭に招かれ、大夫が家名を称した吟】

ひらひらと あぐる扇や 雲の峰

 

・句意:能大夫が白扇をひらひらと翻して舞う姿は、入道雲さながらの、見事な芸である。

・句碑:大津市京町3-3-36 天孫神社前(トップ画像)

天孫神社

 

【元禄7年6月21日、大津蕉門の木節(ぼくせつ)庵にて】

秋ちかき 心の寄や 四畳半

 

・句意:秋が近づく気配の中、この四畳半は、集う人々の心と心が寄りあっていることだ。

 

⑦1694(元禄7)年:10月5日、之道宅から南久太郎御堂前の花屋仁右衛門の裏屋敷に病床を移します。10月12日、芭蕉は静かに息を引き取りました。かねがね粟津の風光に魅かれ、また滅び行く朝日将軍義仲を最期まで慕い続けた愛妾巴御前の純愛、滅び行く者の哀れに、孤高の心を寄せていた芭蕉は「粟津の義仲寺に葬ってくれ」と遺言。遺骸は、その夜、舟で淀川を遡り、翌朝に伏見に上がり、昼過ぎ大津に着き義仲寺に安置されました。乙州の妻と、大津蕉門の智月が浄衣を縫って着せ、義仲寺直愚上人が導師となり多くの門人に見守られ、木曽義仲の隣に埋葬されました。

【大坂の洒堂(しゃどう)宅にて】

秋深き 隣は何を する人ぞ

 

・句意:深まっていく秋に、静まり返った隣家は、何をして暮らす人だろう。

 

【10月8日、呑舟(どんしゅう)を呼び病中吟(辞世句)】

旅に病で 夢は枯野を かけ廻る

 

・句意:旅の途中で病身となり、夢だけが、枯野を駆け廻って行く。

・句碑:大津市馬場1 -5-12 義仲寺内

「旅に病で…」句碑

義仲寺

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