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2023.11.02

  • # 文化・景観
  • # 近江の祭り

近江の『生きた祭り』 大津祭 歴史・概要・見所

近江の『生きた祭り』 はじめに

滋賀の曳山行事

祭礼で引き廻す祭礼具は、車輪の有無によって「神輿」と「曳山」に大別出来ます。曳山は、屋根の有無や層の構成、車輪の数、各種の装飾等の組み合わせによって、多種多様な形態をとります。祇園祭に影響を強く受ける二層式の構造をしたものや、露天式の人形屋台を持つもの、子ども狂言を行う舞台の付いたものです。滋賀には、今回紹介する3つの曳山祭りの他に、毎年4月15〜16日に近い日曜日に行われる「五箇まつり」(東近江市宮荘町の五箇神社)、毎年4月19~20日に行われる滋賀の曳山行事「水口曳山祭」(甲賀市水口町の水口神社)、毎年4月21日に近い日曜日に行われる「堅井之大宮春季大祭」(愛知郡愛荘町岩倉の軽野神社)、毎年5月2~3日に行われる「日野祭」(蒲生郡日野町の馬見岡綿向神社)、毎年5月3~4日に行われる「大溝祭」(高島市勝野の日吉神社)、毎年7月の第3土日曜日に行われる「浅小井祇園祭」(近江八幡市浅小井町の津島神社)、不定期に行われる「丹生茶わんまつり」(長浜市余呉町上丹生の丹生神社・八幡神社)等があります。

大津祭の曳山行事

国指定重要無形民俗文化財
開催日: 10月の第2月曜日の前の土・日曜日
開催社:天孫神社
住 所:大津市京町3-36
交 通:JR大津駅下車徒歩5分
曳山数:13基

大津祭

【歴史・概要・見所】

『四宮祭礼牽山永代傳記』という、江戸時代から代々書き継がれてきた大津祭の祭事記録があります。これによると、鍛冶屋町の塩売治兵衛が「四宮祭礼」に狸の面を被って采を振って風流踊りを踊ったのに始まり、続いて治兵衛を乗せる屋台を町内で作り氏子の町中を担ぎ歩き、1622(元和8)年には、年老いた治平の代わりに「カラクリ」で腹鼓を打つ狸を造り、屋台に乗せ練り歩き、1635(寛永12)年からは二輪の曳山となり、1638(寛永15)年には現在の曳山の基となる三輪となりました。方向転換の多い大津祭では前輪を持ち上げて旋回するには便利です。

毎年9月16日天孫神社にて「籤取り式」が行われ、本祭(ほんまつり)の1週間前の日曜日には各山町で一斉に「山建て」が行われ、本祭の前日に「宵宮」(よみや)が行われます。「本祭」出発時に、天孫神社では巡行順を確認する「籤改め」を行います。その後「所望」(しょうもう)の声がかかり、1回目の「カラクリ」が演じられ、街中に出ます。曳山に乗っている精巧な「カラクリ」が街中20数カ所で披露され、天孫神社でお祓いを受けた「厄除け粽」(やくよけちまき)や各曳山の「手拭」が見物人に撒かれます。

曳山のお囃子は、曳山毎に曲名やメロディーが違います。聞き比べて観て下さい。

【曳山の特徴】

京都の祇園祭とその影響を強く受ける二層式の構造をした曳山です。滋賀県下では大津型の呼称があります。1638(寛永15)年より三ツ車を付け祇園会山鉾形の山を建て、梶取り手や木遣いを雇い、毎年神事に牽き渡り、現在の曳山の原型が出来上がりました。大津の曳山は、狭い通路でも自由に回れるよう三輪で直径1.8m、高さ6.5m、幅3.5m、長さ5.2mの大きさです。

 

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