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2025.07.10
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書籍紹介:『三田村一族の興亡~秀吉も一目置いた武士団』
『三田村一族の興亡~秀吉も一目置いた武士団』
著:清水 修吾
定価:1,500円+税
長浜市三田町に残る三田村氏館跡(三田村城)は、同じく長浜市の下坂氏館跡とともに「国史跡 北近江城館跡群」を構成する、中世の城館跡です。近江は日本でも屈指の数の城跡があることで有名ですが、土豪や国人といった中小規模の武士の館が平地に残っていることは珍しく、我が国の中世から近世にかけての地域支配のあり方を考える上で貴重なことが国史跡に指定された理由となります。
この三田村城を代々治めた三田村一族は代々浅井氏の重臣として仕え、姉川の戦いや小谷城の攻防戦で大きな役割を果たしたとの記録が残っていますが、織田信長による浅井氏の滅亡と運命を共にしてしまいました。
三田村氏館跡(伝正寺) と土塁跡
信長や秀吉といった時代を代表する英雄が主人公の物語には、彼らに従ったり逆らったりするその時にだけ名前を見せる、多くの小領主や農民などが登場します。三田村氏もまた、一般的な(少し詳しい)歴史ファンからは「歴史に少しだけ爪痕を残した」武士たちの一人とだけ写るかもしれません。
しかし、長年同地に在住される著者の清水氏は、この知られざる一族の歴史を丹念にひも解くことで、一つの武家の興亡のみならず、それに率いられ、またその飛躍の原動力となった湖北の豊かな農村である三田村の情景や成り立ちを、戦国時代のみならずはるか弥生時代の村の成り立ちにまで遡って描かれました。本書はその研究成果をもとに、「事実90%、フィクション10%」(あとがきより)で読みやすくした、郷土の歴史に触れる手がかりとなる一冊です。
ご購入・著者プロフィールなどは著者ホームページから:https://mitamura-history.net/
小谷城跡 清水谷の三田村屋敷跡
写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー