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2020.10.22

  • # 文化・景観
  • # ヴォーリズ建築

近江ヴォーリズ建築の旅―青い目の近江商人ウィリアム・メレル・ヴォーリズと一柳満喜子 甲賀市・東近江市・日野町編

近江ヴォーリズ建築の旅―青い目の近江商人ウィリアム・メレル・ヴォーリズと一柳満喜子 はじめに

◎甲賀市・東近江市・日野町のヴォーリズ建築

①旧滋賀銀行甲南支店(旧寺庄銀行)(トップ写真)

JR草津線寺庄駅から約400m、寺庄集落中程の杣街道に面した所に、1925(大正14)年建築の鉄筋コンクリート造二階の建物があります。寺庄銀行は、1897(明治30)年に設立、1928(昭和3)年に百三十三銀行に合併され、その後百三十三銀行は1933(昭和8)年に八幡銀行と合併し現在の滋賀銀行へと続いています。建物は、正面に矩形の柱形を張出し、内側に渦巻き型の柱頭と溝彫りされた細身の柱が特色のイオニア式オーダー(柱の様式)を表し重厚なエンタブレチュア(軒飾り)を支えます。玄関上部は半円アーチの窓を設け装飾的な持送り(壁や柱から水平に突出し梁や床等を支える三角形状の補強材)を兼ねた要石を飾り、銀行建築らしい古典的意匠となっています。国の登録有形文化財に指定されています。
(所在地:甲賀市甲南町寺庄字上川原1078)

 

②旧水口図書館

水口町出身の実業家井上好三郎氏の寄付により、町の中心地、水口小学校正門脇の角地に、1928(昭和3)年建築された北東側に塔屋を設けた鉄筋コンクリート造二階の建物があります。正面玄関の両脇に、トスカナ式(溝彫のない)の円柱を配し、その上には壁を半円アーチ状に窪めて書物と燭台、オリーブ等のレリーフを施し図書館らしさを表現しています。太めの軒蛇腹が全体の外観を引き締めます。毎月第二火曜日に「ヴォーリズ火曜喫茶室」が開かれているらしいです。国の登録有形文化財に指定されています。
(所在地:甲賀市水口町本町1-2-1)

旧水口図書館

玄関のレリーフ

③日本キリスト教団水口教会礼拝堂

1930(昭和5)年建築の瀟洒な洋風住宅の様な礼拝堂です。木造平屋建、南北棟を大棟としたラテン十字形の外郭を持ち、南妻面の東半に玄関を設け、東西方向の交差廊部を礼拝堂に充てている平面構成に特徴があります。礼拝堂に続く畳敷きの和室は珍しく住宅建築を基としたシンプルな外観は、古い城下町の街角に、軽やかな「風」をもたらしています。門柱は、煉瓦二枚半角でみかけ煉瓦一九段積、最上部は煉瓦の長手面を下にして納めています。いずれも国の登録有形文化財に指定されています。
(所在地:甲賀市水口町城東3-21)

日本キリスト教団水口教会礼拝堂

今回は訪問できませんでしたが、蒲生郡日野町鎌掛には、1939(昭和14)年建築の岡家住宅主屋があります。国の登録有形文化財に指定されています。(所在地:蒲生郡日野町鎌掛2301)

また、東近江市の近江鉄道八日市駅近くには、1930(昭和5)年建築の旧住井歯科医院の建物があります。(所在地:東近江市本町7-6)

 

 

 

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