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2022.01.13

  • # 文化・景観
  • # 近江八景・琵琶湖八景

琵琶湖の美しい景色を求めて――琵琶湖八景の旅 八景 春色 安土八幡の水郷

琵琶湖の美しい景色を求めて――琵琶湖八景の旅 近江八景と琵琶湖八景

 

 

【情景】安土展望八幡景 水郷情趣漲此濱

安土山から眺める、安土や八幡辺りの春景色は、水郷の美しさを、この浜に集めたかと思われる景観です。水郷の葦原の四季は、忘れかけている日本の原風景を思い起こしてくれます。(春色は春の景色や気配の意味)

【名勝の場所】近江八幡市西の湖周辺

琵琶湖八景に指定された当時の水郷と比較すると規模や環境の状況が大きく異なり、大中之湖や津田内湖の干拓、圃場整備、琵琶湖の湖岸道路の整備により規模が大きく減少し、動植物等の環境も大きく変わりました。舟運も自動車の普及や道路の整備により姿が消え、津々浦々まで舟で行けた時代から、集落内のどの家も車で行ける時代に大きく変わりました。水郷保全の取組や景観に係る多くの市民の方の努力によって、西の湖と葦原等の自然環境が、葦産業や西の湖と共生する地域住民の生活と結びついて、価値の高い文化的景観が保持されています。

水郷の四季は、それぞれ趣があり、「ヨシキリ」「カイツブリ」等の水鳥も多く、自然の営みや恵みを感じることが出来ます。葦は、春に芽吹き、夏に青々と約4mに成長、深秋に葉を落とし黄金色、冬に刈り取り、3月上旬の葦焼きは水郷の早春風物詩です。

近江八幡の水郷巡りは、茨城県潮来や福岡県柳川と並び三大水郷と称されています。織田信長や豊臣秀次が戦国の疲れを癒し宮中の雅な遊びを真似たのが始まりと云われ、作家の司馬遼太郎も乗船したと云われる「水郷巡り」を江州音頭でも謡っています。

八幡山より西の湖と安土山を望む

江州音頭「水郷めぐり」

 

㋬ェ 皆様たのみます これからはよいやせの掛け声

㋬ェ さてはこの場の皆様へ ここは近江か滋賀の町 安土八幡水の郷 ようこそお越し下さいました ゆったりゆっくりゆらゆらと 浮世忘れて癒されて風情たっぷり舟遊び

㋬ェ 右も左も葦原の迷路行き交う屋形舟波間に菱や姫コウホネ 煌く水面に水中花 ケケスさえずりカイツブリ さざなみ寄せて櫓が軋む

㋬ェ お舟は前が舳なら 船頭櫓を漕ぐ艫と云う 櫓越しに彼方を眺むれば 葦の間に見え隠れ 信長ゆかりの安土城

㋬ェ 鶴翼山と その名も高き緑豊かな八幡山 頂き見れば四十と三万石 秀次公の八幡城 菩提弔う瑞龍寺

㋬ェ 二月三月葦焼き祭 四月祭は葦松明 5月6月粽巻き 日除けの葦や夏障子 葦で屋根葺き簾編む 耳を澄ませば葦笛か

㋬ェ 葦に因んで皆さんへ 近江商人三方よしの家訓を伝え 売り手よし買い手よし世間よしの三方よし これが商いの命なら も一つ云いたい環境よし

㋬ェ 春水郷に霞立ち 夏は琵琶湖に帆が走る 秋は紅葉の長命寺 冬は船縁に雪化粧 万葉時代の昔より 栄えましたる淡海の町

㋬ェ お名残りおしゅうはあるけれど お舟はいよいよ船着場 又のお越しを楽しみに 手を振る心は有難う ソリャ ヨイトヨヤマカ ドッコイサノセ

 

昔日の湖辺を偲ばせる水郷風景が展開しています。

【見所】

近江八幡の水郷:重要文化的景観第1号。

水郷巡りの船:手漕ぎ船は「近江八幡和船観光協同組合」「水郷のさとまるやま」、エンジン船は「島真珠水郷観光船部」「びわ湖観光株式会社」。

西の湖:現存する琵琶湖の内湖では最大の面積(2.2㎢)で、安土山と八幡山の間に広がる内湖です。2008(平成20)年10月30日に琵琶湖のラムサール条約湿地登録エリアに追加されました。

安土山より西の湖を望む

近江八幡市八幡の商家の町並み:重要伝統的建造物保存地区。

八幡堀:豊臣秀次が整備した水路で水運の要として近江商人の発展に大きな役割を果たし、堀沿いの石積みや白壁の土蔵、水上を行き交う船など情緒豊かな景色を楽しむことが出来、時代劇のロケ地として有名な地です。

八幡堀の土蔵

八幡山:かって豊臣秀次が築いた八幡山城があり、現在は京の村雲の地から移築された村雲御所瑞龍寺があり、ロープウェイで山頂に登ると市街地や琵琶湖が一望出来ます。

安土城跡:織田信長が1576(天正4)年から3年かけて築いたと云われる居城跡で、麓から天守のあった山頂迄の一帯に石垣や重臣達の住居跡の礎石等が残存し、眼下に広がる安土の町並みや西の湖の眺めは絶景で、国特別史跡に指定されています。中腹には信長の菩提寺摠見寺があります。

 

 

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