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2021.02.04

  • # 文化・景観

琵琶湖に浮かぶ4つの島々と琵琶湖に架かる2つの橋 竹生島

竹生島(ちくぶしま) 住所:長浜市早崎町

琵琶湖の最深部に浮かぶ「竹生島」は、北側の葛籠尾崎から約2㎞、東側の長浜市早崎町の湖岸から5㎞、西側の高島市今津浜の湖岸から約9㎞の沖合の湖上にあり、面積0.14平方㎞、周囲約2㎞、海抜197.6mの花崗岩からなり、その上を亜熱帯性の闊葉樹が覆われて出来た島です。「(神を)斎く島」に由来し、その中の「いつくしま」が「いつぶすま」と変わり「竹生島」となったとあり、また、「竹生島」という漢字は島の形が雅楽等で使われる楽器の笙に似ていることから付けたと言う説もあります。(竹生を漢字一字で表すと?)

南側より

5世紀半ば頃には浅井姫命を祀る小祠が作られたと伝えられ、かなり古くから信仰の対象になっていた竹生島ですが、島の成り立ちは分かっていません。島内の都久夫須麻神社のご祭神が、湖水を支配する浅井姫命です。また、宝厳寺は、724(養老8)年に聖武天皇の命で行基が建立したと伝えられる真言宗寺院です。本尊は、大弁才天像(高台の本堂弁才天堂に安置)と千手観世音菩薩(唐門より内部の観音堂に安置)で、共に60年に一度開帳される秘仏です。奈良時代には日本古来の神道と弁才天信仰が結びついたものが祀られるようになっており、いわゆる神仏習合は、明治に分離令が出されるまで続きます。神仏が習合し「神が住む島」と近江の人達から千年以上も愛され今も多くの人々が島を訪れます。

国宝:宝厳寺唐門(大修理前の姿)

島へのアクセスは、琵琶湖汽船で近江今津港から約30分、長浜港から30分。オーミマリンで彦根港から40分等の定期航路があります。神々しい空気漂う島に上陸し、拝観受付横の急勾配の石段を登ると宝厳寺本堂弁才天堂があり、広島の厳島、神奈川の江ノ島と並ぶ日本三弁才天が祀られ、琵琶湖を見守る水の女神として芸能の神として太古より湖国を見守ってきました。階段を降りると国宝「宝厳寺唐門」があり、唐門を潜ると、西国三十三所観音霊場の第三十番札所の観音堂が、さらに進み重文「舟廊下」を渡ると、国宝「都久夫須麻神社本殿」に出ます。

国宝:都久夫須麻神社本殿

重文:宝厳寺舟廊下

ここには、竜神拝所の鳥居があり、「かわらけ」を投げ、鳥居の間を通ると願いが叶うと言われています。島全体が名勝史跡に指定されておりまだまだ多くの見所があります。しかし、散策エリアは、これらの神社や寺院の境内エリアと土産物屋が並ぶ桟橋近くのエリア位でそれ以外は神聖な樹林です。土産物店や寺社の関係者の皆さんは全て島外から通う人達で、夜は全くの無人島になる本当に不思議で神秘的な島です。

竜神拝所の鳥居

葛籠尾崎との間に葛籠尾崎湖底遺跡があり、水深70mの湖底から多数の縄文時代から平安時代迄に及ぶ土器が引き揚げられており、このような遺跡は世界でも類がなく沈積原因は今なお大きな謎に包まれています。また、琵琶湖八景「深緑竹生島の沈影」にあげられ、平家物語「竹生嶋詣」や謡曲「竹生島」にも神秘的な美しさを秘めた島として登場し、千年を経た今日でもその姿は、人々の心を惹きつけてやみません。船着場のお土産店では、琵琶湖特産魚介の佃煮や生姜煎餅の「竹生島弁天焼」が売られています。

船着場から唐門を望む

琵琶湖には、これら自然の4つの島のほかに、1978(昭和53)年着工、1982(昭和57)年運用開始の人工島、矢橋帰帆島(やばせきはんじま:草津市矢橋町帰帆2108)があり、湖南中部浄化センターや矢橋帰帆島公園として利用されています。

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