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2020.09.10

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日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 近江のケンケト祭り・長刀振りの鮒ずし切りの神事

日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 はじめに

水遺産区分:水と祈りの文化

住所:(下新川神社)守山市幸津川町1356番地

交通:JR守山駅下車西口より近江鉄道バス小浜線「下新川神社」下車

5月5日に下新川神社の春の例大祭「近江のケンケト祭り・長刀振りの鮒ずし切りの神事」が行われます。由緒によると崇神天皇の第一皇子豊城入彦命が東国平定の途中湖西よりこの地においでになった時、この地を「幸津川」と命名されました。その時に村人達が鮒ずしを献上したのが祭りの始まりとされています。

このすし切り神事は、朝廷の料理法を確立させたと云う清和四条流の「包丁式」の作法を色濃く伝えています。昔から伝わる祭式法記に則り、宮司と自治会長が座す中、当番組の若者2人が裃姿で動作を揃えて、鮒ずしには一切触れることなく、真魚箸と包丁で鮒ずしを切り分け、神饌として神に献上します。その後、宮司以下来賓に振舞われます。祭式では拝殿前に並んだ神輿の担ぎ手が、盛んにヤジを飛ばし会場の雰囲気を盛り上げます。また、鮒ずしと伴に供される大きなお椀のお神酒の量が半端ではありません。かつてのすし切り役は、その年に元服を迎えた長男しか出来ないと云うしきたりがありました。湖国の伝統食鮒ずしが、祭事に引き継がれています。宮司退席の後、拝殿前では五穀豊穣、子孫繁栄を祈願する「諌鼓の舞い」が奉納されます。

諌鼓の舞い

近江のケンケト祭り・長刀振りは、琵琶湖湖南の守山市の下新川神社や小津神社、甲賀市の滝樹神社、竜王町の杉之木神社や八坂神社、東近江市の高木神社や山部神社や旭野神社等に古くから伝承されている祭礼芸能でケンケトという名称がこの地域独特なもので特色ある芸能です。大太鼓を打ち、その周りで鉦・ササラ・棒その他の役の者が囃したり踊ったりするケンケトと、長刀を振り回したり、柄の真ん中を掴み長刀を飛び越したり、長刀を放り投げたりする長刀振りとで構成されています。

下新川神社

小津若宮神社

各神社の春祭りの神輿に供奉して本社や御旅所その他で公開されます。これを宮座の行事として執り行っている所があったり、鮒ずし切りの神事や花奪い神事と併せて行われている所もあったり、或いはケンケトと言う囃し言葉の他にサンヤレと囃している所がある等、各地それぞれに細部において相違があります。これらは近世初期に流行をみた風流踊りの流をくむものとも、田楽と関わりがあるとも言われていますが、芸能の変革を知る上で貴重なものであり、形態が変容しない現在において詳細な記録を作成し、芸能の性格を明らかにする必要があるものとして「国指定記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に指定されています。

長刀振りの衣装

・文化財:

【国指定重要文化財建造物】小津神社本殿

・立ち寄り所:JAファーマーズマーケットおうみんち本店(滋賀県最大級の直売所で地域食材バイキングも楽しめます)、佐川美術館(不思議な外観の美術館)

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