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2020.06.25

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日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 琵琶湖の伝統漁法

日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 はじめに

琵琶湖の漁法には特徴があります。漁期や獲ってよい魚の大きさが決められ、集魚灯は禁止、船の推進力を使った引き網禁止、魚群探知機禁止等、これらは、魚を獲り過ぎない漁法や魚の繁殖を妨げない漁業が基本になっているからです。自然の恵みを受け続ける為には自然への配慮が欠かせないと言えます。

琵琶湖産コアユ(Wikipediaより)

エリ漁】魚は障害物にぶつかるとその障害物に沿って前へ進む習性があり、その習性を利用した漁法で古来から行われてきた定置網漁法のひとつです。エリの先端まで進んだ魚は両端にある「つぼ」に追い込まれ、そこを漁師が「たも網」ですくい捕ります。アユなど琵琶湖に生息する魚を捕まえることが出来、湖上で多く見られます。

空から見たエリ

【ヤナ漁】高島市の知内川や安曇川周辺に伝わる伝統漁法で、川を遡上してくる魚をヤナと呼ばれる仕掛けを用いて大量に獲る方法で、漁獲量も多く取れます。安曇川や知内川のヤナ漁は、3月末から7月にかけてのアユ漁が主体で、ここで水揚げされたアユは放流用のアユ苗として出荷されます。9月末から11月末迄はマス用のヤナが設けられ、また季節に応じてウグイ・ニゴイ・ハス等も獲れます。また、安曇川町北船木は、1090(寛治4)年に京都上賀茂神社の御厨となり、安曇川や琵琶湖で捕れた鮮魚を献上していました。それは今日まで受け継がれています。水産庁の未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選に「安曇川のヤナ漁」が指定されています。

安曇川のヤナ漁

【追いさで漁】早春から初夏にかけ、浅い所の石についた藻類を食べに湖岸に接近して来るコアユの群れをウザオを使って湖岸沿いに追い集め、先に待ち構えるサデ網の中へ追い込んで捕る漁法です。ウザオは長さ約5mのハチク竹の先と先から約1mの所にカラスの羽根7~8枚を一括りにして取り付けた物を用います。古来から湖辺の漁民が行ってきた漁法で、昭和30年頃から北湖一円で普及しました。

追いさで漁

写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー(空から見たエリ漁)

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