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「滋賀の魅力」ブログ
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2020.06.18
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日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 琵琶湖の食文化
滋賀の食文化は、近江米・湖魚・野菜・豆・芋を基本に栄養的にも優れた食の構成で、湖魚のナレズシや煮物、湖東の近江牛、近江八幡の赤コンニャク、日野菜、甲賀の茶等の、人々がずっと培って来た歴史と個性あふれる食文化が継承されています。
赤こんにゃく
【湖魚】湖魚は人々の食を支え伝統的な郷土食が伝承されてきました。琵琶湖の固有種であるニゴロブナ・ゴリ(ウロリ、ビワヨシノボリの稚魚)・イサザ・ホンモロコ・ビワマス等を使った伝統料理が今も味わうことが出来ます。近年は、小鮎・ハス・スジエビを加え「琵琶湖八珍」として売出し中です。ビワマス・鯉・鮒・ウグイ等を刺身・せごし・なます・煮物等で食し、鰻・鯰・イサザ・氷魚(鮎の稚魚)等をすき焼き鍋(じゅんじゅん)で食べます。また、ニゴロブナをはじめとした「鮒寿し」や鮎・ハス・オイカワ等の「湖魚のナレズシ」は、産卵期に大量に川を遡上した魚を1年以上保存する智慧の結晶で、発酵食品として注目されています。5月にはよくニュースに登場する守山市幸津川町の下新川神社「すし切り祭」等の豊穣を願う祭りや伝統行事にも「鮒寿し」は深く関わっています。また、小鮎・エビ豆・ホンモロコ・ゴリやセタシジミ・石貝等の「湖魚の佃煮」や、ビワマスを使った「アメノイオ御飯」・セタシジミのすまし汁・本モロコの網焼き等、日本で一番多様な湖魚の郷土食があり豊かで味わい深い食文化が育まれています。
鮒ずし
琵琶湖産ビワマス(Wikipediaより)
【近江の伝統野菜】鎌倉時代の和歌「近江なる ひものの里の さくら漬 これぞ小春の しるしなるらん」と謳われ、日野菜・さくら漬の名で親しまれる様になったと云われる歴史ゆかしい伝統野菜「日野菜」をはじめ、甲賀市の鮎河菜・杉谷なすび・杉谷とうがらし・水口干瓢、湖南市の下田なす、草津市の愛彩菜・山田ねずみ大根、近江八幡市の北之庄菜・豊浦葱、愛荘町の秦荘やまいも、彦根市の小泉紅かぶら、米原市の伊吹大根・赤丸蕪、長浜市の高月菜・余呉の山蕪、高島市の万木蕪・蛭口蕪等の伝統野菜があります。また、生産量全国5位の蕪や、なばな・水菜・菊菜の栽培が盛んです。
山田大根、万木かぶ、日野菜
【近江米】平成21年滋賀県の耕地面積は約5万3500㌶(約5万4千町歩)です。平安中期の水田面積は、奈良平野の約1万8千町歩・山城平野の約9千町歩と比べて近江は約3万3千町歩あり、いかに近江の新田開発が進んでいたかを示しています。琵琶湖と四方の山々に囲まれ、米作りに最適な澄んだ水・肥沃な土壌に恵まれた自然環境の中で採れた米は「近畿の米蔵」と云われ、古くは「江州米」と呼ばれていました。「コシヒカリ」「キヌヒカリ」「日本晴」が多く作付けされている他、県が独自に育成した品種「みずかがみ」「秋の詩」「ゆめおうみ」「レーク65」等様々な品種が栽培されています。また、安全・安心・美味しい米を供給する為、平成15年より環境に配慮した厳しい基準で栽培する「環境こだわり米」が登場しました。
近江米(道の駅びわ湖大橋米プラザにて)
【近江牛】日本三大和牛(近江・松阪・神戸)で但馬系の牛がそのルーツです。肉質は霜降り度合いが高く、特有の香りと、肉の柔らかさと、肌理が細かいのが特徴です。牛の栄養バランスが配慮された飼料や、琵琶湖に代表される豊かな水や自然の中で育てられた滋賀を代表するブランド食材です。近江牛の歴史は特に古く江戸時代に遡ります。1687(貞享4)年に彦根藩で牛肉の味噌漬けが考案され「反本丸」と称し滋養の薬として諸侯に振舞われていました。ステーキ・すき焼・しゃぶしゃぶ等で至福の味わいを満喫して下さい。千成亭(彦根市)、毛利志満・ティファニー・岡喜(近江八幡市)、万葉(東近江市)、近江スエヒロ(草津市)、松喜屋・かど萬(大津市)等で、論より証拠、滋賀で近江牛を『食べとぅみやす』
近江牛
【近江のお茶】805(平安初期)年に、最澄が唐より種子を持ち帰り、比叡山山麓に播いたことが始まりとされ、京阪石坂線坂本駅にはその時の物と伝わる茶園が有り「日本茶業発祥の地」とも云われ、今も甲賀市の朝宮・土山の生産者が大切に守り継がれています。
土山の茶畑
寒暖差が大きい気候で育てられた近江のお茶は、香りの良さが自慢で熟成するほど旨味が増す秋優りのお茶とも言われ、古くから茶人に愛されてきました。日本五大銘茶で全国屈指の高級煎茶産地の朝宮茶、県内最大生産量で高品質なかぶせ茶の産地の土山茶、幼少の石田三成が長浜城主豊臣秀吉に献上し召し抱えられるきっかけとなった「三献の茶」は東近江市の政所茶で、秀吉に生涯に渡り愛飲され『宇治は茶所、茶は政所』と謳われ全国にも高級茶として知られていましたが、現在はその生産量は少なく希少価値の高いお茶の一つです。また、日野町の北山茶もあります。
【近江の地酒】銘酒の影に名水と好適米あり、隠れたる美酒の宝庫には、様々な個性を持った50の蔵元がありそれぞれの持ち味を持ったお酒を造り出しています。美冨久酒造「三連星」純米大吟醸生、笑四季酒造「笑四季」純米大吟醸、松瀬酒造「松の司」純米大吟醸、平井商店「浅茅生」純米大吟醸や、竹内酒造「香の泉」北島酒造「御代栄」太田酒造「道灌」畑酒造「大治郎」上原酒造「不老泉」吉田酒造「竹生嶋」富田酒造「七本鎗」等、近江はまさに美味しい酒造りに最適の地と言えます。
近江の地酒
太田酒造 道灌蔵
写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー(赤こんにゃく、鮒ずし、湖魚料理、近江牛、太田酒造)