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「滋賀の魅力」ブログ
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2020.09.17
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日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 慈眼寺
水遺産区分:水と祈りの文化
住所:守山市吉身1丁目7番30号
交通:JR守山駅下車徒歩10分
天台宗「住吉山興福院慈眼寺」と称し、縁起によると本尊の十一面観音「帆柱観音」は、伝教大師最澄の自作と伝えられ、その由来は804(延暦23)年、最澄は天台法華宗の修学のため唐へ留学、翌年多くの経典を携えて船で帰路の途中、海上で暴風雨に見舞われ、帆柱も折れ、今にも沈没しそうになりました。その時、最澄が十一面観音に祈りを捧げると、尊像が海上に現れ、風波が平穏になり、無事難を逃れることが出来ました。最澄は帰国後、航海安全の結縁として、折れた帆柱で海上に出現された十一面観音像を自ら刻んで、帆柱観音と名付け、小堂を建立し、寺名を慈眼寺とされました。
帆柱観音厨子
その後、延暦寺焼き討ちの時、伽藍は兵火にかかって焼失し、本尊も所在不明になりましたが、江戸時代に明神のお告げによって本尊が林の中から発見され慈眼寺が再建され、吉身西町・中町・東町の3町の人達によって守られてきました。1723~34(享保8~19)年に編纂された『近江輿地志略』によると、当時、慈眼寺には帆柱観音を安置する堂の他に、薬師堂、如意輪堂、地蔵堂等の諸堂が存在していたと伝えられます。
薬師如来像は、損傷が目立つようになり、2006(平成18)年より保存修理事業が行われました。慈眼寺の本堂も長年にわたる風雪で傾き瓦屋根が落下するなど倒壊の危険があり、2005(平成17)年地元住民が集まり本堂改築委員会を立ち上げ再建の為の募金を集めました。改修工事は2008(平成20)年に完成し、修復された仏像が寺に戻りました。帆柱観音のエピソードを地元のご夫妻が紙芝居を作って子供達に伝えています。地元の人達が集まれる催しや境内の整備等、自治会の人達は頑張っておられました。本尊の秘仏「帆柱観音」は、航海安全に利益のある仏として信仰を集めています。また、薬師如来坐像も海神である住吉神とのかかわり、水の世界の救主として水の祈りの信仰対象となっています。本堂見学を希望される方は市文化財保護課迄(077 -582 -1156)事前に連絡して下さい。
薬師如来と日光/月光菩薩
・文化財:
【市指定文化財】木造薬師如来像、木造日光菩薩、木造月光菩薩、鬼瓦
・立ち寄り所:旧中山道守山宿の町並(守山宿町家うの家、本陣跡、中山道街道文化交流館、東門院、土橋、今宿一里塚)