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2019.09.19

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忍びの里 甲賀 日本遺産の文化財群 甲賀の前挽鋸

忍びの里 甲賀 日本遺産の文化財群 はじめに

甲賀・伊賀は、奈良時代より東大寺の杣地として良材を産出し、近代には大型の製材鋸、前挽鋸の産地となりました。この地には山林従事者が多くおり、山野を相手にした生業が忍術にも影響を与え、戸を開ける為の忍具にも様々な形状の鋸が登場します。

前挽鋸は、木材を縦に挽いて柱や板に加工する一人挽きの縦挽き鋸です。機械製材が普及する以前は、木挽と呼ばれる職人によって広く使われた道具で、その主生産地は京都でしたが、やがてその技術は甲賀にも伝えられ、19世紀前半には複数の製造家(鋸の原版を造る「黒打」、表面を平らに仕上げる「透き」、歯の先端に焼きを入れる「歯焼き」の三工程)があったようです。一帯に「甲賀大工」や「甲賀木挽き」と呼ばれる木に関わる職人が多く住んでいた事と関係があると思われます。その品質は全国に聞こえ、販路は、日本国内は勿論、朝鮮・樺太・中国大陸に及びましたが、昭和に入ると機械製材が普及して急速に衰退しました。

・国指定重要有形民俗文化財:近江甲賀の前挽鋸製造用具及び製品

(所在地:甲賀市甲南町葛木925「甲南ふれあいの館」に展示)

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