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2024.05.16

  • # 琵琶湖

日本遺産 「京都と大津を繋ぐ希望の水 琵琶湖疏水」と、琵琶湖に入る水出て行く水の旅 日本遺産を構成する文化財

日本遺産 「京都と大津を繋ぐ希望の水 琵琶湖疏水」と、琵琶湖に入る水出て行く水の旅 はじめに

今回は、日本遺産 「京都と大津を繋ぐ希望の水 琵琶湖疏水」のストーリーを構成する40の文化財のうち、大津市側に所在する文化財を中心に紹介します。

大津市側の文化財

・琵琶湖築地:新三保ケ崎橋の琵琶湖側は、かつて遠浅の砂浜でした。堆積した土砂が運河を塞いでしまう心配を避け埠頭が築かれました。北西側を第一築地、南東側を第二築地と呼んでいます。

琵琶湖築地

・第二疏水取水口と洞門:1912(明治45)年に完成し、全線が地下経由となります。新三保ケ崎橋から続く尾花川橋から全景が見渡せます。

第二疏水取水口

・第一疏水取水口:新三保ケ崎橋の下流側にあります。ここから長等山の第一トンネル洞門に至る545mの水路を「大津運河」と呼称します。

第一疏水取水口

・大津閘門:琵琶湖と疏水を舟が行き来する時、2つある門を順次開閉して水位差を調整し、舟を通す役割を果たしています。閘室など重要な部分に石材が用いられています。他はレンガで築かれ使用したレンガは約60万個に達します。閘門の隣にはゴミ等を取り除く装置があります。

大津閘門

・第一トンネル洞門(国史跡):三井寺の裏手の山、長等山の下に掘られた日本で初めて竪坑方式で造られた当時日本最長2436mのトンネルです。「びわ湖疏水船」(平成30年春から復活した通船で春夏運行される蹴上迄の小さな船旅です。令和6年春は大津港まで延伸して運航しました)の乗下船場は近くにあります。この第一トンネルの上を小関越え道が通っています。小関越えは北国海道(西近江路)から別れて大津市藤尾で旧東海道に合流する約5㎞の間道でした。この道は疏水第一トンネルの水路にほぼ沿っており、竪坑や測量標石等疏水建設に纏わる史跡が存在しています。トンネルの洞門は欧米の意匠を参考にした花崗岩製の門柱で飾られています。『様々に変化する風光は素晴らしい』との意味の扁額『気象萬千』揮毫・伊藤博文がついています。また、洞門の開閉門は、1896(明治29)年の大水害時に設置されたものが記念に残されています。

第一トンネル洞門

琵琶湖疏水船

・扁額:第一疏水のトンネル等に設置されている明治の元勲をはじめとする先人達の揮毫で石に文字を彫り込んだ額です。大津側は文字を掘り下げた陰刻、京都側は文字が浮き出る陽刻にされ、デザインにも趣向が凝らされています。それぞれのトンネル出入り口や内壁には13の扁額があります。訪れた時は是非ご覧ください。(アイキャッチ画像は第一トンネル入口扁額「気象萬千」伊藤博文揮毫)

・第一竪坑(国史跡):第一疏水にある竪坑で深さ約47mです。第一トンネル工事の際、山の両側から掘り進むほか、山の上から垂直に掘った穴からも両側に掘り進めて工期を早める「竪坑方式」を日本で初めて採用されました。
「びわ湖疏水船」乗船中、この第一竪坑の下を通過する際に、竪坑内部を見ることが出来、湧き出た多くの地下水が船の屋根に落ちる様子が体感できます。

第一竪坑

・第二竪坑(国史跡):第一トンネル工事の空気導入の為の竪坑頂上部です。

第二竪坑

・第一トンネル西口洞門:大津市藤尾奥町にあります。『疏水をたたえて悠然と広がる大地は、全てを受け容れる器を有している』との意味の扁額『廓其有容』筆・山縣有朋がついています。

第一トンネル西口洞門

・藤尾橋:工事にあたり最初に建造された橋で、当時のレンガと石造りの土台が残っています。大津市藤尾奥町にあります。

藤尾橋

京都市側の文化財(一覧)

・山科疏水

山科疏水

・四ノ宮船溜  ・安祥寺船溜  ・東山自然緑地  ・煉瓦工場跡  ・山ノ谷橋  ・第二トンネル入口  ・第二トンネル出口  ・日ノ岡第11号橋  ・第三トンネル入口  ・第三トンネル出口  ・旧御所水道ポンプ室  ・疏水合流トンネル  ・蹴上船溜  ・蹴上浄水場第一高区配水池

蹴上浄水場

・疏水工事殉職者弔魂碑及び殉職者之碑  ・田邊朔郎像、北垣国道像  ・蹴上インクライン

蹴上インクライン

インクラインと導水管

導水管からのぞく十石舟と装置

・ねじりまんぽ  ・蹴上発電所

旧蹴上発電所

・南禅寺船溜

南禅寺船溜

・鴨東運河

鴨東運河・夷川発電所前

・琵琶湖疏水記念館所蔵資料  ・蹴上インクラインドラム工場  ・京都市動物園  ・鴨川運河  ・京都市営電車の車両と敷石  ・疏水分線

疏水分線・哲学の道

・水路閣  ・岡崎地区の庭園群

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