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2019.09.05

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忍びの里 甲賀 日本遺産の文化財群 忍書

忍びの里 甲賀 日本遺産の文化財群 はじめに

日本には100を超える忍術書が残されています。ここでは、甲賀・伊賀の忍者によって伝えられ、今も甲賀の博物館などで見ることのできる二つの忍書をご紹介します。

『萬川集海』:紀州流の『忍秘傳』、服部半蔵家の『正忍記』等と共に忍術三大秘伝書として知られています。甲賀伊賀両流の内、主に伊賀流四十九派の秘伝を記した忍学書の集大成です。1676(延宝4)年著、著者は甲賀・伊賀の国境を拠点とした忍者藤林保武。甲賀本は大原本・内閣文庫本・伊勢神宮文庫本(一部抄本)が有り、伊賀本は沖森本・滝本・沢村本が知られています。書名は『萬の川を集めて海にする』と云う意味があり、一子相伝、門外不出の秘書で授与される場合は他言他見を禁じ、違反すれば冥罰を蒙る書でした。文字にはよそ者による読解を防ぐ為、分解文字や伏字が多用されました。

暗号文字の例

その特徴は、忍者の正心を強調する「忍道」を中心に、火薬など当時の先端科学に加え、徹底した合理性の追求と、人の心の隙を読む心理学を応用した所にあります。これらに加え孫子・呉子の中国兵法、陰陽道や遁甲など易の思想、密教・修験道の秘法、火薬・油脂等の南蛮技術、薬学、有名な武将の用兵技術等を広く取り入れ、実践兵法の追求を目指し整然と体系付けられた秘伝書となっています。後世では陸軍中野学校の教程本として使用されました。現在は、国立公文書館内閣文庫に所蔵されています。また復刻版は、甲賀流忍術屋敷や忍術村の甲賀忍術博物館等で見られます。

萬川集海

『忍術應儀傳』:1584(天正12)年、望月出雲守の子孫の望月重家が著したと伝えられる甲賀流忍術の秘伝の巻物です。聖徳太子と忍術の由来を説き明かしているなど、甲賀流忍術を使う忍者としての基本理念が記載されています。

忍術應儀傳

この他にも渡辺家には江戸時代、尾張藩に仕えた甲賀忍びの資料が残り、甲賀忍者が得意とした火術や兵法等、甲賀忍者の働きを知ることが出来ます。

・市指定書跡:萬川集海

・未指定:忍術應儀傳、渡辺家資料

正忍記

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