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2021.10.14

  • # 文化・景観
  • # 近江八景・琵琶湖八景

琵琶湖の美しい景色を求めて――琵琶湖八景の旅 近江八景と琵琶湖八景

江戸時代からの景観地「近江八景」

近江八景は、大津市の円満院に伝来している、「寛永の三筆」と云われ著名な文化人の公卿近衛信尹(1565(永禄8)~1614(慶長19)年)が、自画賛で近江八景を水墨画で描き、既に日本に入っていた中国湖南省の瀟湘八景の情景を取り合わせ、琵琶湖畔の膳所城からの眺望を和歌で詠み選定し、城主(第2代藩主戸田氏鉄)に賜れたとの発生説が有力です。

近江八景『石山秋月・瀬田夕照・粟津晴嵐・矢橋帰帆・三井晩鐘・唐崎夜雨・堅田落雁・比良慕雪』は、地名と情景を併せた景観で、松尾芭蕉の俳句や名所図会・名所記等に数多く登場し、中でも江戸時代中期以降の浮世絵師歌川広重が描いた大判錦絵「近江八景之内」によって全国に知られるようになりました。また、江戸時代末迄に近江八景に因んで、全国112ヶ所で八景が誕生しています。

(2019年1月より、当HPで連載紹介:近江八景の旅 近江八景の由来

近江八景の一、堅田落雁(浮御堂)

琵琶湖中心の観光地誕生「琵琶湖八景」

以前から近江八景は県の南部に偏っていた為、1950(昭和25)年琵琶湖と此れを取り囲む自然の風景地を対象とし我国最初の国定公園と指定されたのを機会に、昭和24年6月25日に滋賀県と琵琶湖観光協会による県民の公募で、次の琵琶湖八景を選定しました。

一.暁霧(ぎょうむ) 海津大崎の岩礁

二.涼風(りょうふう) 雄松崎の白汀

三.煙雨(えんう) 比叡の樹林

四.夕陽(ゆうよう) 瀬田石山の清流

五.新雪(しんせつ) 賤ヶ岳の大観

六.深緑(しんりょく) 竹生島の沈影

七.月明(げつめい) 彦根の古城

八.春色(しゅんしょく) 安土八幡の水郷

この八景のうち五景は、琵琶湖の存在が風景の基礎となっています。しかし、近江八景に比べると、歴史は約400年と戦後生まれの71才、登場する機会が少なく認知度に劣ると云われています。しかし、巡った琵琶湖八景は、琵琶湖を訪れたら一度は是非見ておきたい景観地で、季節により紹介されている八景の風景が違うものとはなりますが、四季折々それぞれ違った景観を見せてくれ、それもまた魅力一杯で徒然とした時間と共に美しい景色を一望できる瞬間を楽しみたい人にお勧めです。

琵琶湖八景の一、安土八幡の水郷

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