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2020.11.12
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近江ヴォーリズ建築の旅―青い目の近江商人ウィリアム・メレル・ヴォーリズと一柳満喜子 近江八幡市編2
近江ヴォーリズ建築の旅―青い目の近江商人ウィリアム・メレル・ヴォーリズと一柳満喜子 はじめに
近江ヴォーリズ建築の旅―青い目の近江商人ウィリアム・メレル・ヴォーリズと一柳満喜子 近江八幡市編1
◎近江八幡市のヴォーリズ建築 その2
⑥ ヴォーリズ記念病院旧本館(ツッカーハウス)(旧近江療養院本館)
大切な協力者を結核で失ったヴォーリズは、近江八幡から北へ約1㎞、近江ミッションの農園がある北之庄の地をサナトリアムにと計画しました。1918(大正7)年に近江療養院が、アメリカの支援者メアリー・ツッカー女史から贈られた資金を元に本館を中心に、希望館・チャペル・新生館・更生館等が八棟建てられました。ツッカーハウスは、中央の切妻造三階建の左右に伸ばす翼部両端を半八角形平面としています。玄関ポーチを半円アーチで構成し上部にベイウィンド(出窓)を開きます。内部意匠にもヴォーリズの作風を示し、病室の置かれた二階開口を広めて通風採光に配慮する等、結核病棟としての特徴を備えています。現在、「ヴォーリズ遺産を守る市民の会」の手により、保存再生の事業が進められています。国の登録有形文化財に指定されています。
(所在地:近江八幡市北之庄町492)
ツッカーハウス
⑦ 旧近江療養院希望館(五葉館)(旧近江療養院五葉分館)
1918(大正7)年建築の旧本館北側の斜面に建つ病棟です。中央ラウンジの北を入口とし、南側に病室五室を放射状に配し、各病室の三面に窓を開いて通風と採光を確保しています。外壁はドイツ壁で、窓に鎧戸を建て、ラウンジの屋根頂部に換気塔を載せています。独創的な形態を持つ個室型の結核療養施設です。国の登録有形文化財に指定されています。
(所在地:近江八幡市北之庄町字川西492)
五葉館
⑧ヴォーリズ記念病院礼拝堂(旧近江療養院チャペル)
1937(昭和12)年建築の旧本館北西の斜面に建つ礼拝堂です。建物は、木造平屋建、切妻造妻入桟瓦葺で、正面に石段、西方に渡り廊下を付けています。玄関ホールの北に小屋組を現す単廊下式礼拝堂で、東に牧師室、西に控室と便所を配します。半円アーチを開ける白いモルタル壁が木立に映え、チャペルに至るゴロタ石の石段は自然と精神的高まりを覚える様にデザインされ、ヴォーリズ得意のミッションスクールの廻廊を思わせる雰囲気があります。国の登録有形文化財に指定されています。
(所在地:近江八幡市北之庄町480-1)
礼拝堂