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2020.06.11

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日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 近江八幡の水郷

日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 はじめに

水遺産区分:水と暮らしの文化

住所:近江八幡市白王町・丸山町・北之庄町・南津田町他

交通:JR琵琶湖線近江八幡駅下車近江鉄道バス長命寺線の沿線

琵琶湖の周囲には昭和15年頃迄、約40個(約29㎢)の内湖がありました。戦後食糧増産の為、大中の湖等多くの干拓が進み、今残っている内湖は23個(面積4.25㎢)となっています。西の湖(面積2.2㎢)は残された内湖の中で最大です。内湖は、流入する河川の汚れた水を一旦溜めて葦等により浄化し、琵琶湖に流す機能を持っています。西の湖周辺の葦原等の自然環境が、葦産業等の生業や西の湖と共生する地域の生活と深く結びついて形成された文化的景観です。

安土山からの西の湖の眺望

円山・白王の集落は、西の湖北端の山(円山・白王山)の南面にあり北風を避けるように山裾に並んでいます、かつては主な交通手段を舟運に頼り、家々が西の湖に接する必要がありました。円山集落では現在も葦管理とその加工業が主な生業で、白王集落では大中の湖を干拓によって失ったことにより内水面漁業との関係が希薄となりましたが、湿地に点在する水田での農業活動や葦管理を通じ現在も内湖との関係を維持しています。それぞれの集落は、石積水路や石垣等や、主屋・蔵と作業小屋・屋外作業空間・水際空間の配置に異なる特徴を示しています。

円山集落の葦産業

八幡(現在の近江八幡市)は、豊臣秀次の城下町で、近江商人発祥の地の一つです。1607~10(慶長12~15)年に創設されたと云われる古式水道が新町界隈等に今も現存しています。町が出来た頃は水質が悪く、良い水が出る周辺の井戸(親井戸)から竹等の樋管で導水し各町内へ給水する取井戸(溜め桝)と云う方式でした。また民家の間から八幡堀に落ちる溝が、秀次が作った背割排水(下水溝跡)で、日本最古の下水道との説もあります。

新町通りと八幡山

八幡堀

水郷巡りの手漕和船に乗り、県鳥「かいつぶり」や「よしきり」に出会い、葦原で船頭に「葦一本で年間2トンの水を浄化出来るんです」と聞き、琵琶湖の水量は約275億㎥、葦が約138億本もあれば、景観の維持と再生が出来るのかなとふと思いました。

春の水郷巡り

・文化財:
【重要伝統的建造物群保存地区】近江八幡市八幡(商家町)

【重要文化的景観第1号】近江八幡の水郷

【重要文化財建造物】旧西川家住宅(新町)、小田神社楼門(小田町)、八幡社本殿(馬淵町)、奥石神社本殿・摠見寺三重塔仁王門・桑実寺本堂(西国四十九薬師霊場第46番札所・日本の養蚕発祥の地)(安土町)等10棟

【国特別史跡】安土城跡(安土町)

【国史跡】観音寺城跡・老蘇森(安土町)

【国選択無形民俗文化財】近江八幡の火祭り(3月の左義長祭と4月の松明祭)

秋の八幡堀

・立ち寄り所:西の湖(ラムサール条約による保護湿地)、春色・安土八幡の水郷(琵琶湖八景)、近江八幡水郷巡り(日本三大水郷・ロケ地として有名)、円山地区(日本の里百選)、八幡堀(ロケ地として有名)、八幡山、村雲御所瑞龍寺門跡、ラ・コリーナ(たねやグループのフラッグシップ店)、プティキャナル(レイクビューレストラン)

・湧水等:大江水、あさごいの湧水群、若宮湧水、野田町湧水、不二の滝、北川湧水、音堂川湧水、観音正寺の霊水

八幡山城本丸跡(村雲御所瑞龍寺)

写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー(水郷めぐり、秋の八幡堀、八幡山城)

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