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2020.03.12

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日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 朝日豊年太鼓踊 および伊吹山麓の太鼓踊と奉納神社

日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 はじめに

水遺産区分:水と祈りの文化

住所:米原市朝日(八幡神社)
米原市上野他(平成29年4月追加)

交通:JR東海道線近江長岡駅下車近江鉄道バス朝日下車(八幡神社)
JR東海道線近江長岡駅下車近江鉄道バス近江長岡線及び伊吹登山口線(平成29年4月追加)

伊吹山西麓の地に広く分布する雨乞いの祭礼(太鼓踊)は、伊吹山に対する祭礼で、その起源は室町時代後期まで遡ります。伊吹山頂の弥勒堂の前で松明を集めて火をつけ雷踊りを踊り、火の勢いで気流を起こして雨を呼び、激しく鉦や太鼓を打ち鳴らすことで、雷神を錯覚させ雨を呼びます祭礼です。

伊吹山は今も水の神が棲む山として信仰され続けています。旧山東町北部の大原学区は、姉川に設けられた井堰の出雲井による取水灌漑を行っており、地区内の16の村(旧伊吹町春照・高番・旧浅井町相撲庭を含む)では、江戸時代から共同意識が強く、用水管理や雨乞いに連帯で当たりました。岡神社が大原学区の総鎮守で多くの太鼓踊が行われてきました。
昭和22年の踊り以降は、この朝日豊年太鼓踊だけが絶えることなく続いてきました。近年この地区の井之口・間田・天満・夫馬・烏脇では太鼓踊が、また上野三之宮神社伊吹山奉納太鼓踊、春照八幡神社太鼓踊、八相宮大野木豊年太鼓踊が復活しています。

朝日郷の八幡神社

戦前小学生だった頃に春照太鼓踊を経験したという地元の老人達が話をしてくれました。
「(掛け声)「チッチ チッシャン ソーリャ」(太鼓)「ドン ドン」で始まり、2列で向かい合って、最後は輪になって踊った」とのことです。「田植えの時につける「腰つけ籠」を太鼓代わりにつけ、夏休みから練習を始めた」と、昔を懐かしむ様に楽しくお話し下さいました。水掛かりの悪い扇状地で暮らす人々の水利の源への祈りと感謝の姿が今も引き継がれています。

朝日郷と伊吹山

平成29年4月には、構成文化財として「伊吹山麓の太鼓踊と奉納神社」が追加されました。追加された踊りと奉納神社は以下の通りです。

伊吹山奉納太鼓踊(三之宮神社:米原市上野)

春照八幡神社太鼓踊り附奴振り(八幡神社:米原市春照)

大野木豊年太鼓踊(八相宮:米原市大野木)

井之口太鼓踊(若宮八幡宮:米原市井之口)

大原郷太鼓踊(岡神社で5年に一度:米原市間田)

大原郷太鼓踊(大原学区の地域が5年に一度一堂に集まり太鼓踊を披露。天満神社:米原市天満、春日神社:米原市夫馬、神明神社:米原市烏脇)等

太鼓踊を次世代に伝える為には、地域全体の理解や協力が必要です。本番迄の数ケ月の練習で踊り手を育成し、その中で子供達には地域の祭りと向き合い大人と接します。太鼓踊は、伝統芸能の伝承だけには留まらず、青少年の育成・世代間の交流・地域の一体感・故郷への誇り等、多くのことを地域にもたらしてくれます。

・文化財:

【重要文化財建造物】観音寺本堂・鐘楼・惣門

【国選択無形民俗文化財】朝日豊年太鼓踊

・立ち寄り所:観音寺(三献の茶・秀吉石田三成ゆかりの寺)

 

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