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2019.10.10

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日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 延暦寺

日本遺産・琵琶湖 祈りと暮らしの水遺産 はじめに

水遺産区分:水と祈りの文化

住所:大津市坂本本町4220

交通:JR湖西線比叡山坂本駅又は京阪石坂線坂本駅下車、江若バスにてケーブル坂本駅へ、ケーブルにて比叡山山頂駅

国宝・根本中堂

百人一首や歴史書『愚管抄』で有名な天台座主・慈円が「世の中に山てふ山は多かれど、山とは比叡の御山をぞいふ」と拾玉集で詠んだ比叡山は標高848m。延暦寺は、天台宗の総本山で比叡山中に散在する150程の塔堂を纏めて呼ぶ総称です。3塔16谷5別所の山岳伽藍で構成され、根本中堂のある東塔と5谷、釈迦堂を中心とした西塔と5谷、横川中堂を中心とする横川と6谷の区域で、5別所は現在の黒谷や安楽谷等です。これらは谷と呼ばれ山間の谷筋毎に寺院群が構成されています。

重文・戒壇院

山中には20箇所以上の湧水があります。主な水源名には、千日回峰行者が無動寺の堂入りで取水する閼伽井や、弁慶が西塔参籠に際し汲んだと云われる弁慶水、東塔の地蔵水・延命水・相応水、西塔の浄明水・独鈷水・雲井水、横川の如法水・碧玉水があります。いずれも夏は冷たく冬は温かく、名水・霊泉と呼ばれている神水です。絶え間なく湧き出る水は山中での修行や仏への給仕に不可欠です。谷筋の堂舎は冬でも凍結しない湧水のある深山渓谷の地を選んで建立されています。更に比叡山から流れ出る谷川の水の流れは早く、綺麗なまま琵琶湖に注いでいます。里坊の庭園では水を巧みに使い、山の栄養分を含んだ水は、山麓の仰木・千野・坂本・穴太・滋賀里等の水田を潤しています。

重文・瑠璃堂

伝教大師最澄は、平安京が造営される6年前の788(延暦8)年に、和の祈りを映す琵琶湖を、水の恵みあふれるこの世の楽園理想郷と讃え「天台薬師の池」に見立て、比叡山頂に比江山寺を創建し一乗止観院(後の根本中堂)と名付け、自作の一刀三礼の「薬師如来」を納められました。根本薬師は延暦寺根本中堂の内陣厨子に秘仏として安置され、不滅の法灯とともに、最澄の理想と信仰を伝え「水の浄土・琵琶湖」を見守り続けています。
桓武天皇は、794(延暦13)年平安遷都に際し、比叡山が平安京の鬼門にあたる為、延暦寺を王城鎮護の寺と定められました。

重文・常行堂・法華堂(担い堂)

横川中堂(1971年再建)

平安時代末期に編まれた『梁塵秘抄』には「近江の湖は海ならず、天台薬師の池ぞかし、何ぞの海、常楽我浄の風吹けば、七宝蓮華の波ぞ立つ」と詠まれています。比叡山は、平安京の鬼門というより、寧ろ神と仏が住まう湖である琵琶湖の西にあります。延暦寺の成り立ちに繋がる元々の正面は琵琶湖側になるのではないでしょうか。なお、根本中堂は平成28年から約10年間をかけて平成の大改修が行われています。

重文・四季講堂(元三大師堂)と「おみくじ発祥の地」の碑

・文化財:

【ユネスコ世界遺産】延暦寺

【国宝建造物】根本中堂

【重要文化財建造物】根本中堂回廊・瑠璃堂等8棟

【重要伝統的建造物群保存地区】大津市坂本(里坊群・門前町)

【国名勝】延暦寺坂本里坊庭園(旧竹林院・滋賀院門跡・律院等10ケ所)

・立ち寄り所:西国四十九薬師霊場第49番札所煙雨、比叡の樹林(琵琶湖八景)、延暦寺の杉と香(日本のかおり風景百選)比叡山の森林(水源の森百選)、横川の元三大師堂(四季講堂、おみくじ発祥の地)、渡り廊下で繫がった常行堂と法華堂(弁慶の担い堂、滋賀県と京都府の県境地)、比叡山ドライブウェイ(日本夜景百選)、坂本ケーブル(日本最長2,025mのケーブルカー)、延暦寺会館(琵琶湖一望の宿坊で精進料理)、本家鶴㐂そば(比叡山ゆかりの蕎麦)

比叡山ドライブウェイからみた琵琶湖

 

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