一般社団法人東京滋賀県人会

湖北

近江八景の旅 唐崎夜雨

公開日 : 2019.1.31
近江八景の旅 唐崎夜雨

はじめに:近江八景の旅 近江八景の由来

名勝の場所:唐崎神社(大津市唐崎)

持統天皇の頃の創建と伝わる古社の唐崎神社は、日吉大社の摂社で、毎年4月の日吉大社山王祭には坂本からここまで船渡御があります。平安時代には、国の大事に当たって天皇が禊を行なう朝廷の「七瀬祓い所」の一つと定められた由緒ある神社です。また、ご祭神は女別当神で、女神を祀ることから、女人の信仰が厚く、遠方から多くの参拝客が訪れます。

琵琶湖に面した神社境内には、大きな霊松(黒松)があり、琵琶湖を隔て松越しに眺める湖東地方の景観は、古代から多くの文人墨客の心を迷わすものであったようです。現在の霊松は三代目で樹齢150~200年といわれ、琵琶湖に突き出た地にその威容を誇っています。低く広がった枝ぶりは手入れに手間が掛かるであろうと要らぬ心配をする程で、広重の浮世絵にも何か「おどろおどろしい」雰囲気が漂っており、この松に霊的な物を広重も感じたのではと思います。因みに近江八景に描かれていた二代目は東西72m・南北81m、幹太9m、高さ10mの巨木であったと伝えられています。また、金沢の兼六園の唐崎の松は、ここ唐崎神社の松の種子を植え育てたものです。

唐崎神社はみたらし団子と縁の深い神社でもあり、毎年7月28~29日に行なわれる「みたらし祭」では、ご神体の大きな「御手洗団子」(みたらしだんご)が人々の前に姿を現します。「御手洗」には身を清めると言う意味があり、祭では家の玄関に飾る小さな「御手洗団子」も授与されます。

和 歌:夜の雨に 音をゆづりて夕風を よそに名たつる から崎のまつ

季 節:夏

情 景:夜の雨足と松

景 色:唐崎の老松、唐崎神社と鳥居

立ち寄り所:「寺田物産 近江かぎや」唐崎神社の前にあり、神社ゆかりのみたらし団子が販売されています。

※本文は、全国滋賀県人会連合会報『全滋連』44号(2014年1月発行)に掲載されたものです。三代目の霊松は、その後長年の腐朽の影響から樹勢が弱まり、2017年に大幅な剪定を受けています。現在は健常部分の保全育成を目指し養生中であるとともに、後継となる四代目の育成が進められています。

三代目霊松の剪定後の姿

 

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